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話し方のうまい人は、間の取り方がうまい

話し方のうまい人は、間の取り方がうまい。

逆に、立て板に水、油紙に火がついたようというが、息つく間もなくペラペラとしゃべりまくられたのでは、聞いている人が気疲れする。しかもそのわりには、いったい何をいいたいのかよくわからない。

議論が沸騰したときには、ついつい早口になって、言葉の間がなくなってゆくものだ。大勢の人の前に立って何か話すといった、緊張感を強いられるような場面でも知らず知らずのうちに早口になり、間がなくなる。注意したい。

お互いのやり取りにも、間が必要だ。「年でしょうか。最近目がかすんできて」「そうそう、私も」「不景気ですねえ。イヤになっちゃう」「そうですよねえ」。こちらがいうことと、それに受け答える「そうそう」のあいだに間がないと、会話が慌ただしくなるだけで、後で何を話したのか、すっかり忘れている。ひと呼吸あけてから

「そうですねえ」と答えること。そのほうが同じ「そうです」にしても、はるかに実感がこもって聞こえる。

反論するときも、間髪いれずに「それは違う。あなたは間違っている」といったりすると、なにかケンカを売っているような話し方になるから、ひと呼吸間を入れてからのほうがいい。話し方に間がなくなると、お互いに感情的になり、ますます無意味な口論となりやすい。

間を取ることは、心にゆとりをもたらし、頭の働きを理性的なものにする。

 

【話し方のツボ】上手に間を取って、ゆとりのある話し方を心がけよう。

①油紙が燃えるような話し方ではなく、適度に間のある話し方をする。

②間のない会話は感情的になりがち。間のある会話が、理性的な話し合いを生む

③「そうですねえ」は、ひと呼吸あけてから。「よく聞いている」印象をあたえる。

④間のない話は聞き取りにくい。間がある話は、よく頭の中に入ってくる。

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いい会話のキャッチボールは、「45秒ルール」から

NHKのアナウンサーだった鈴木健二さんは、気持ちを人に伝えるためには「四十五秒」がてきとうであるといっている。

それ以上では、話がダラダラしてくる。1分30秒を超えると、聞く人は「話が長いな」と感じてくる。2分30秒で、うんざりしてきて話が耳に入らなくなるというのだ。

いいたいことは、45秒から1分程度にまとめて話すように心がけること。そこでいったん口を閉じよ、だ。

聞く人にしても同じことがいえる。黙って耳を傾けているのもいいが、一分を超えるあたりで

「それは、おもしろいですねえ。いえ、じつは私もこんな経験をしたことがありまして」「たしかにそうだと思うんだけど、こういう考え方もあるんじゃない」と、いったん話を自分のほうへ引き取ること。

1分30秒以上黙ったままでいると、話す人は「この人、聞いているのかな」と不安になり、2分30秒以上何もいわないでいると、話を続ける気力をなくす。そういうことになるわけだ。

会話はキャッチボールであり、自分だけでボールを長く持つのは禁物である。お互いに45秒から1分くらいを目安に、相手にボールを投げ返し、相手にもしゃべるチャンスをあたえることである。そういうやり取りが、気持ちのよい会話をするコツだ。




【話し方のツボ】長話や長黙りは相手の気持ちをうんざりさせる。

①あいづちの打ち方が投げやりになってきたら、長話になっている証し。要チェック。

②話が長くなればなるほど、どこで口を閉じたらいいかタイミングがつかめなくなる。

③相手が急に無口になったら、こちらの長黙りに原因がある。

④気持ちのいい会話のキーワードは「45秒」。45秒で、いいたいことをいう。

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どう話すかより、「すぐに」で誠意が伝わる

むかしおつき合いのあったある放送作家は、私がテレビに出ていると、放送が終わるか終わらないうちに電話をかけてきて

「いま見てました。楽しいお話でしたね」といってくれる。そのとき何をいってくれたか、どうほめてくれたかよりも、そのスピーディーな反応がうれしい。その人の、あたたかい気持ちが伝わってくる。

お礼をいわなければならないとき、お詫びをしなければならないとき、報告しておくべきことがあるとき相談しておかなければならないことがあるとき、ある人に何か話しておかなければならないことがあるときには、「いますぐに」が基本である。

電話でもいい、メールでもいい、ハガキを書くのでもいい。出向いていって直接、申し述べるのもいいが、ともかく、いますぐに、である。

遅れ遅れになりがちなのは、とくに、お詫びだろう。

「会ってお詫びしたい」というから会ってみると「ちょっと飲みますか」ということになり、さんざん酔っ払ってそろそろお開きという段になって、ようやく「先般の件だけれど、申し訳ありませんでした」と謝る。

けれども続けて、「あれはしょうがなかったんだ」と言い訳を始め、「人間あきらめが肝心ですし」と諭すような人もいる。

いや、「謝る」というのはむずかしい。というより、わざわざまわりくどいことをして、話をウヤムヤにしてしまいたいという、先方の作戦かもしれぬ。いずれにしても、ますます「信頼できそうな相手じゃない」という印象が強くなる。

【話し方のツボ】謝罪、お詫び、連絡はスピードが大切。いますぐに伝えよう。

①いくら言葉を尽くしても、三日後の謝罪では誠意は伝わらない。その日のうちに。

②謝罪と借金返済は早いほうがよい。「取り急ぎご連絡まで」で、まずはひと言いれる。

③「そういえば、いうのを忘れていましたけど」で、信用を失ってゆく。気をつけたい。

④いうべきことは、いますぐに伝えよう。スピードほど、雄弁なものはない。

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情緒過剰な話し方の人は、自己中心的な性格

仲がいいというわけでもないのに「ねえねえ、聞いて聞いて」と、なれなれしく話しかけてくる人。「それって、すごい。私、うれしい。感動するの。とってもいいんだから」と、大げさな感情表現をする人。

「私とあなた、絶対気が合うと思うの。だって嘘みたいじゃないの。趣味も同じ、血液型も同じ、干支(えと)も同じ、何もかも同じ」と共通点を強調したがる人。お涙ちょうだいの話をよくする人。不自然なくらい気を遣う人。

こういう人は、第一印象は悪くはない。「この人とは、うまくいきそうだな」と思わせるものがある。しかし、あとになって、それが錯覚だったと気づくことも多い。

ある女性が、ひとりの男性に出会った。やさしいことをいってくれるし、ルックスも悪くはないので、つき合い始めたのだが、結局は裏切られて痛い目にあった。あとになって思い起こせば、初対面のときから妙に馴れ馴れしく、ささいなことに感動して大喜びしたり、「キミとは前世でも出会っていたような感じ」といったり、どこかうさん臭さを漂わせていたという。

情緒過剰な話し方をする人には、自己中心的な人が多い。「辛かったんだろう。あなたの気持ちは痛いほど、オレにはわかるよ」と同情し、隠すことなく涙を流すが、涙を流している自分に陶酔しているだけ、そんな人もいる。

最初は、多少よそよそしい感じがするくらいの人のほうが信用できるように思う。




【話し方のツボ】なれなれし過ぎる話し方はかえって警戒心を招く。

①なれなれし過ぎる話し方よりは、少しよそよそしい話し方を。そのほうが信用される。

②「聞いて」は一度だけでいい。「聞いて聞いて」はダメ。

③「私、うれしい」も一度だけ。いい過ぎる人は、情緒不安定な証し。

④共通点を強調するのもいいが、強調し過ぎては、警戒心を起こさせる。

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