【面白くなさそうなことが本当は面白い】
どんなことでも、どんどん積極的にやってみる人と、それまでやったことがないこと、新しいことはまずやらない、という人がいます。積極的にやってみる人は、どんどん面白い経験をして豊かな人生になりますが、そうでない人は、せっかくの人生がもったいないとしかいいようがありません。
やらない人は、やらない理由をいろいろと思いついて、結局尻込みするのですが、そのやらない理由というのは、ほとんどが理由というほどのものになっていない言い訳ばかりです。
いちばん聞くのが、「この年で今さら」というものですが、なにをはじめるのにも年齢などは関係ないものです。80歳代、90歳代でパソコンをはじめる人もいます。それで、孫と電子メールのやりとりができるようになって、楽しみが増えます。
スポーツではそれなりに基礎体力が必要だったりしますが、少しづつやってみればそんなには体力的に負担になるものではありません。つぎが、「忙しいのでできない」という理由です。これは、その人の発想を転換しなければならないのでいちばん大変ですが、要するに、人生で何に重きを置くかということになるのです。
仕事で忙しいとしても、その仕事はあなたの人生にうるおいや輝きを与えるものでしょうか、そうでないとしたら、人生をもっと輝きのあるものにしてみたいと思いませんんか、という問いかけになるでしょう。
はっきりいって、仕事は人生において、おまけの部分です。人生で大切なのは、自分がどう生きたかという中身です。だいたい、60歳で定年を迎えたとしたら、それから30年も生きる人がいるのに、その余生に、仕事はなんの価値ももたらしません。
基本的に、「やらない人」は、面白くなさそうだからそれにチャレンジしないのだと思いますが、ボランティアがいい例です。
面白くなさそうで、大変そうで、しかも、自分の生活に大きな負担がある行為、ボランティアをしてみると、それまでの人生でどうして自分はもっと早くボランティアをしなかったのだろうと思うくらいに充実した気持ちを感じます。
いちばん面白くなさそうなことが、実は、現代社会ではもっとも自分を充足させられることだ、というのが、私は面白いと思っています。
【何もしないことも大切にする】
— 時間を無駄に過ごすのも大切 —
ふだん、時間に追われてそれこそ分刻みで仕事をしたり、とにかく、無駄な時間を作らないようにと「効率的な仕事」をしていると、なんだか、時間に使われているような気になってきます。
子どものころから「時間を無駄にするな」と言われ、仕事をするようになれば、「効率的に働け」と言われて追い立てられるように生きていると、時間を無駄にすることは、まるで犯罪であるかのように思えてくるでしょう。
そこがポイントです。果たして、自分のすべての能力を、働いている間、たとえば八時間、100%動かし続けることができるのでしょうか。まず、それは「ノー」だと思います。すると、時間を無駄にするということの中身にも、疑問が発生するのです。
ここまでに何度か述べたように、人間は適度な休みを取らなければ効率的には働けません。「時間を無駄にするな」と上司は言うでしょうが、いちばん無駄なことをしているのは、たいてい上司のほうです。
きちんと働いていない人間を過大に評価していたり、有能な人間からその可能性を奪っていたり、そういうことをするのがえてして「上司」です。自分の仕事ぶりにしても、おおっぴらに自慢できるような人はそうはいないものです。
そんな上司の元からもし、転職する機会がなくても、心をクリーンアップする方法があります。
それは、「一日なにもしないこと」です。いちばん簡単にできて、もっとも効果的なストレス解消法でもあります。いわゆる「無為の効用」です。なにもあくせく働くばかりが有能の証明ではありません。
上司がなんと言っても、何かと理由をつけてとにかくなにもしないのです。現代人は、とくに都会に住む人は、みんな、毎日何かしなければならないという強迫観念があるようですが、そんなに追いつめられることはありません。
人がひとり何もしない日が年に一日くらいあっても、その仕事にも、地球にも人類にも、何の影響もないのです。それなのに毎日忙しいのは、つまり、必要以上の荷物を背負って、みんなが毎日頑張りすぎているということでしょう。
今日は、何もしないようにしましょう。
【心を老化させない法】
— お洒落をしてみるのも気分転換 —
ヒトは、30歳代にもなると、体力の限界を感じてくるものです。20歳代には仕事で徹夜をしても翌日もバリバリ働けて平気だったものが、30歳代も後半となると、翌日に響くようになります。
40歳代ともなると、体の節々が悲鳴を上げはじめて、老化をはっきりと感じるようになります。肩が凝るとか、目がかすむ、間接が傷む、足腰が疲れやすいという自覚症状がでてきます。本格的な健康診断や人間ドックなども必要になります。
そんな時期には、気持ちまで下降線をたどってしまいがちです。もう若くないのだから、とファッションも地味になって、行動も控えめになってしまうのです。
これは、これからの長い人生を考えると、多いなる損失です。さらには、そうやって心が老化することで身体的な老化まで促進することになりかねません。
脳の機能にもマイナスに働くでしょう。
体の老化を感じたら、かえって心のほうは若返らせたいものです。心を若返らせるためには、まず、好奇心を取り戻すことが大切です。赤ん坊のように、子どものようにいろいろなものに興味をもつのです。
見慣れた近所の風景でも、以前とは変化があるはずです。季節によって木々の彩りや草花もうつろっています。そんな小さな変化にも好奇心を持って感動することができます。近所にできた喫茶店ではどんなコーヒーを飲ませてくれるのか、ちょっとのぞいてみるとか、見慣れたビデオレンタルショップにも新たに、昔見た懐かしい映画のビデオがンランでいるかもしれません。
休みの日には、ちょっとお洒落をするというのもいいものです。お洒落とまでいかなくても、いつもと違う服装、靴、帽子にするだけでも気分が変わります。お洒落をしたらきっと出かけたくなります。
出かければ、また新しい発見があるでしょう。好奇心はどんどんとふくらんでいくものです。昔見た絵画を美術感に見に行くのもいいでしょう。ついでに昔の友だちを誘えば、気持ちが若かりし頃に戻ります。
同じように、年齢を重ねた友人も、また、違った感性を感じさせてくれるでしょう。こうして心はどんどん若返らせることができるのです。