「あの人は、すごいな」と気づいているのに、それをほめようとしないどころか、意図的に無視しようとする人もいる。
ほかのだれかが「その分野でしたら、あの人はなかなかやりますよ。専門家はだしですよ」などと、ほめようものなら、「いや、もっと違った角度からの見方もあると思うのですが」と話を変えたり、「あの人のことはともかく、それよりもですね」と話をもみ消そうとしたりするのだから了見が狭い。結果として世間を狭くする。
この人は、自分がほめられることしか頭にない。だから他人が賞賛の的になることが許せないのだろう。
これは精神的に大人になりきっていない人の典型的な心理傾向だ。自分に自信がないぶん、人の能力を素直に認めることができない。
がんばった人を十分に認めて、それをほめることができる人は、それだけ精神的に大人なのであり、的確で常識的な理性と判断力を持ち合わせた人である。
相手が、どれだけの人物なのか見極める視点として、その人が人をほめられる人か、ほめることができずにケチばかりつける人なのかを、よく観察してみよう。
【話し方のツボ】人をほめることができる人が、「真の大人」として認知される。
①自分がほめられることばかり考えていると、妬み深くなる。注意しよう。
②自分がほめられることばかり考えていると、世間を狭くする。
③自分がほめられることばかり考えていると、人間的な成長がストップする。
④自分がほめられることばかり考えるのではなく、人をほめることから始めよう。