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button-only@2x 気の弱い性格は、話し方を変えれば直る

おそらく緊張からなのだろうが、「えーと、私、そのー」と、なかなか前に進まない話し方をされたのでは、聞いている人もじれてくる。

ある会社の営業の責任者の話では、毎年、「えーと、そのー」という話し方をする新入社員が何人か配属されるという。そこで、すぐに営業の現場に出すのではなく、新入社員が何人か配属されるという。そこで、すぐに営業の現場に出すのではなく、徹底的にロールプレイングをやらせる。お客さんのいないところで、「私、○○と申します。わが社の製品の特長は」と営業の模擬演習、いわば役者さんの舞台稽古のようなものだ。

そのさいの注意点は三つ。大きな声、はっきりといいきる、正面を見て笑顔で話す、である。一か月もしないうちに、話し方や態度は改められ、積極的で明るい人に変身するという。

人というのは、性格的な欠点も、話し方を変えることで強制できる。

英語の、ある師匠の話。落語家になりたいと門を叩いてくる若者たちには、能弁というよりも、むしろシャイで、気の弱い性格の人が多いという。そんな若者に教えることは、まずは大きな声で話すということ。

人前で大きな声で話すよう心がけているうちに、自分に自信がついてきて、緊張でガチガチになることもなく、堂々とした態度が身についてくるという。

【話し方のツボ】大きな声ではっきりと正面を見て笑顔で話す。

①口ごもるように話すのではなく、はっきりと「私は…だと思います」といいきる。

②「えーと、そのー」という言葉をはさまない。「です、です、です」と、押しまくる。

③自信のない話し方をしているから、ますます自分に自信を持てなくなる。

④大きな声で、はっきり。それが話し上手になる第一歩。

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64 自信を持てないから、人の悪口をいいたくなる

だれかにAさんの悪口をいえば、それは暗に「自分は、Aさんみたいなダメ社員じゃありません。仕事ができるんです。有能なんです。ガンコなAさんとは違って、話もわかる」という下心、ある種の自己顕示欲の強さも伝わり、それは逆に自分の貧弱さを表明していることにもなろう。

自己顕示欲が旺盛なわりに、じつは自分に自信を持てないでいる人は多い。仕事ができること、有能なこと、話もわかることを実証するものがあればいいが、それがない。実績のない人ほど自信過剰な言動をする。けれども内心では、自信が持てなくてびくびくしている。

みなさんの職場で、エース、やり手といわれるような人を見てほしい。その人は、デキの悪い人たちの悪口を、人前でベラベラとしゃべったりするか。むしろ「Aさんはあれで、なかなか見どころがあるんです。たとえば」と、Aさんのいいところを見つけて、それを認める態度を示す。

人の悪口をいいたがるのは、こういってはナンだが、とかくデキの悪い人たちのほうだ。出る杭を打ちたい、人の足を引っ張りたい、という人だ。

まずは、その自己顕示欲、プライドを捨てる。次に、もっと謙虚な気持ちになって、やるべきことに精一杯打ち込む、自分に自信を持っている人は、人の悪口などいわない。人の悪口をいえばいうほど、自分の「心の貧困」を見られている。

【話し方のツボ】人の悪口をいう人は敬遠され、いわない人が「さすが」と思われる。

①悪口をいうのは、自分をよく見せたいだけ。そんな下心が見透かされている。

②自己顕示欲を、人の悪口で満たすな。実力で勝負せよ。実力者は、人の悪口はいわない。

③世の中は、けなし負け、ほめ勝ち、だ。人をほめる人が、最後に勝ち残る。

④謙虚な気持ちが、話し方を明るくする。

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65 顔にほほ笑みを、会話にユーモアを

笑いは、人間関係の潤滑油である。その意味でもユーモアやジョーク、シャレといったもののセンスをふだんから磨いておこう。

日本人はユーモアベタだといわれるが、それは嘘である。だれが最初にそんなことをいったのか、心当たりのある日人は「自主」してほしい。

江戸時代の川柳や狂歌などを読むとウィットがありブラックがありで、あなどれない。下町の銭湯に、営業時間になると「わ」という字の書かれた「板」っきれを店先に出すところがあったそうだ。「わ板」、湯がわいた というシャレである。こんなユーモアセンスは、現代の日本人にも脈々と受け継がれている。

江戸時代には、笑い話の愛好家というものがあった。物好きな単中が定期的に集まって、それぞれ笑い話を発表し合う。ウケのいいものを集めて冊子をつくって出版したりもした。それが、いまの落語の起源だろうである。

いまのサラリーマンやシルバー世代の川柳ブームも、江戸時代のそれに匹敵する。

最近思わず吹き出してしまった川柳は、「化粧品 リフォーム詐欺と 妻は言う」。いや、これは妻を夫に代えたほうがいいのではないか?

気のきいた笑い話ができるのも、話し上手になるためのひとつの条件だ。私は「これは笑える」という話が見つかったときは、すぐに手帳に書き込んでいる。

【話し方のツボ】ユーモア会話で、親しみを演出する。

①サラリーマン川柳などで、笑いの勉強をしてみよう。

②ダジャレ、オヤジギャグ、オバちゃんギャグは、堂々と述べる。照れは禁物。

③「笑ってもらえるかな」などと心配する必要なし。そのときは、自分で笑え。

④無関心が笑いのセンスを錆びつかせ、物好きな好奇心が笑いのセンスを磨く

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66 明るい話し方は、明るい挨拶から

明るい声で、元気よく「おはよう」と語りかけてこそ、相手も笑顔で「ねえ聞いてよ、きのうね、こんなことがあったのよ」「ほんとう? そんなこともあるものなのね」と楽しいおしゃべりが始まってゆく。

なかにはせっかく挨拶をしたのに気づいてもらえない人もいる。

廊下の向こうから憧れの彼がやってきたので横に退いて「おはようございます」とビクビク挨拶。けれどもまったく気づかずに通り過ぎていく。これは、挨拶が暗過ぎたのだろう。

にこやかに、明るく挨拶をすれば、必ず相手も明るい挨拶を返してきてくれるし、あとで明るく話しかけてきてもくれる。挨拶は大切なファーストコンタクト、最初の一歩が大切ということだ。

明るい挨拶➡スムーズな会話➡違和感のない関係…と、これが人と人との関係が発展する手順だ。暗い挨拶は、人間関係の壁である。

話し方の明るい人には、気の置けない友だちがたくさんいる。人脈も広い人気がある。明るい挨拶ができる人にも、同じことがいえる。明るい挨拶ができない人に、明るい話し方はできない。

人づき合いがニガテな人は、まず、明るい挨拶の練習から始めよう。

【話し方のツボ】人との出会いは、明るい挨拶から。初めよければ、すべてよし。

①初対面恐怖症の人は、明るい挨拶だけを心がけよ。それができれば、まず、うまくゆく。

②人づき合いがヘタな人は、挨拶がヘタな人。口ベタだからではない。

③挨拶は言葉ではなく、顔でするもの。にっこりほほ笑むだけでも、立派な挨拶。

④挨拶は礼儀正しさよりも、むしろ明るさと親しみやすさをモットーにする。