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button-only@2x いつもテンションの高い人は、知らず知らず嫌われている

みんなで集まって飲み会でもやっているときならいいのだろうが、いつでもどこでも、またどんな人を相手にしても、やたらにテンションの高い話し方をする人がいる。

テレビで活躍する、若手の漫才師のような話し方。たしかに話し方が明るいといえば、明るいのだろう。楽しいといえば、楽しい。しかし、少々疲れ気味のとき、気分的に落ち込んでいるようなとき、むずかしい問題を抱えて心を悩ませているようなときには、いっしょにいることに耐えられなくなってくる。

相手がいま、どのような気持ちでいるか、と考慮して話をするということは、人との関係にとってとても大切なことだ。「なに苦虫をかみつぶしたような顔をしているのよ。もっと楽しまなくちゃあ」と気軽に話しかけた相手から、「いま、そういう気分じゃないんだよ。ほっといてくれよ」と顔を背けられた経験はないか。それは相手への配慮が足りなかったということだ。

人には、静かにしていたいときがある。そういう相手の心境を敏感に察するかどうかも、ひとつの話し方のコツだ。

ちなみに、うつの状態にある人には、「がんばって、しっかりして」というのは禁句である。ますます落ち込ませる結果となることが多いからだ。

【話し方のツボ】相手の心境を察してときには静かに語りかけてあげよう。

①明るい話し方=テンションの高い話、ではない。騒ぎ過ぎるのはやめる。

②テンションの高い話し方=ノリのいい話し方、ではない。ついてゆけないときもある。

③大人になったら、学生コンパのような話し方はやめよう。大人らしい話し方がある。

④相手の心境に合わせて、話し方のトーンを変える。落ち込んでいる人には、静かに。button-only@2x いつもテンションの高い人は、知らず知らず嫌われている

20  感情豊かな話し方、感情的な話し方

「ねえ、この帳簿のつけ方は、これでいいのかしら」といっただけなのに、「そんなこと、私に聞かないでよ。どうして自分で判断できないのよ。冗談じゃないわよ、まったく」と、感情的な反応ををされたことはないだろうか。

「どうしてそんなに怒るのよ」だ。たまたま気分が悪かったのかもしれないけど、だからといって、私に八つ当たりすることはないじゃないの! ささいなことで怒る人がいるかと思えば、メソメソし始める人もいる。

何がそんなに楽しいのか、うれしいのかやたらにハイテンションになっている人もいる。

たしかに人間は、そのときどきの感情が話し方に表れるということもある。人がみんな、まったく感情の表れないロボットのような話し方を始めたら、人と人との関係は味気ないものになってしまうだろうから、まあ表すというレベルに留まっているのであれば、まだいい。感情にふりまわされるというレベルまでくると困るのだ。

「世界は舞台、人間はみな役者」というのはシェークスピアの言葉だが、演技とは、シナリオに従って自分で自分をコントロールすることでもあろう。コントロールを失った感情表現は演技ではなく、舞台の進行をメチャクチャにしてしまうだけだ。

【話し方のツボ】話し方がワーワー、メソメソにならないようにしよう。

①話し方に喜怒哀楽を織り交ぜるのはいいが、コントロールを失った感情表現はダメ。

②感情表現とは、上手な演技。たれ流しの感情表現は、かえって臭い。

③感情が爆発してしまうのは、ストレスが溜まっているから。ストレスは話し方に表れる。

④ゆとりのある心は、感情豊かな、いい話し方に表れる。

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21 別れ際のひと言が、相手の心にずっと残る

別れ際に「きょうはお会いできて、ほんとうによかった。ぜひまた、お会いしたいですね」「きょうはあなたと話ができて、とても楽しかった」と、気のきいたひと言が聞けるかどうかで、その人への印象はずいぶん変わってくる。

もちろん印象はいい。あたたかい余韻がずっと漂っていて、「また会いたい」という気持ちになる。相手に「そう思わせる」のが、人との出会いが上手な人であり、

「それじゃあ、さようなら」だけでは、ただそれだけのことであり、次の出会いにつながることは少ない。

出会いのときに明るい挨拶ができる人が、別れ際に気のきいたひと言をいう。鬼に金棒とは、このことだ交友関係も、どんどん広がってゆく。肝心なのは、始めと終わり。途中でどんなことを話すかは、人の印象という意味からはそれほど大切なことではない。逆のいい方をすれば、どんなにがんばって話しても、挨拶と別れ際に失敗すれば、いい印象は残せないだろう。

自分の決めゼリフを用意しておこう。楽しかった、うれしかった、また会いたい、いい時間を過ごすことができた、いい思い出になるだろう、いい話を聞かせてもらった…と、簡単でわかりやすい言葉を、もちろん、心を込めて表情豊かにいうことが大切である。

【話し方のツボ】別れ際のひと言で好感度がアップ。決めゼリフを用意しておこう。

①「うまくいくと、いいですね。そうなることを願っています」という、祈願話法を。

②「お気をつけて。雨がふてきそうですから」という、気遣い話法を。

③「がんばってくださいね。私、陰ながら応援していますから」という、励まし話法を。

④「また会いましょう。来月はどうですか。お暇でしたら」という、次のお楽しみ話法を。