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【コラム】– 批判されたとき黙り込むのがいいか、わめき立てるのがいいか —

天敵に襲われて窮地におちいったとき、動物にはふた通りの反応があるようだ。犬のようにワンワンわめき立てる。もうひとつには縮こまって死んだふりをする。

さて人間も、同じだ。たとえば会議の席で、だれかから面と向かって「あなたは見通しが甘かった。この結果について、どう責任を取るつもりなんですか」などと批判の的にされたようなときである。口角泡を飛ばして「私に責任を取れというのか、君は。偉そうなことをいうな」と反論する人がいる。何も反論せず、押し黙って、ひたすら批判の声を甘受するという人もいる。さて、あなたはどちらのタイプか。ところで、また違った方法で批判の矢を上手にかわすこともできる。批判者を、ほめるのだ「よくぞいってくださいました。あなたのいまのお言葉で、背筋がピンと伸びました。いや、激励していただいたのだと考えております。今後はいっそう奮闘しなければならないと覚悟を決めました。ありがとうございました」と。これこそ人の知恵といいたい。

 

第2章– 謙虚な自己アピールで、人に好かれる人 —

13 話がはずむ人は、「あなたは?」の使い方がうまい

自分とは関係ないという話題には、いかにもつまらなそうな表情になる人がいるが、そういう人にかぎって、自分のことになると、堰(せき)を切ったように話し続けるのだから、面くらう。

「この前の日曜日、鎌倉にいきましてね、ええ、ええ、アジサイ寺、雨にぬれたアジサイってきれいでしょう、ええ、よかったわ。いまでも、目に浮かんできますわ。もう毎年、アジサイ寺に、ええ、もう、趣味なんですね、はい」

と、自分の言葉にうなずきながら、一人二役でしゃべり続ける。相手がいくら、つまらなそうな顔をしていようと。

「会話」という言葉を見よ。話と話が出会って、会話となる。話題を一人占めするのではなく、相手にも話をさせること。

ちょっと話し方を変えてみよう。「この前の日曜日、鎌倉にいきましてね」まではいい。そこで「私は」と話を続けるのではなく、「あなたは?」と話の矛先を相手に振って反応を見てほしいのだ。「あなたは、何をやっていましたか」「あなたは何か、趣味をお持ちですか」…と、これだけで会話は成り立つ。

そのあと、「それで、鎌倉はどうでしたか」と相手が聞いてくれたなら、もう少しこちらの好きな話題を続けてもOKというサイン。アジサイがキレイだったことも話してもいいが、要所要所で、たとえば「どうですか。来年はいっしょに鎌倉へいってみませんか」と相手に話をするチャンスをあたえるのが会話をはずませるコツだ。

【話し方のツボ】「私は」と「あなたは」と交互に話せば会話がはずむ。

①黙って聞いているからといって、相手はこちらの話を楽しんでいるとはかぎらない。

②相手の表情をよく見て、相手の気持ちを感じながら話をしよう。

③話を「私は」で独占しないこと。「あなたは?」と問いかける。

④いい会話は、テンポのいいキャッチボール。「いきき」するから、話がはずむ。