Pocket

button-only@2x チャンスを確実に活かす法

【チャンスに気がつくかどうかが分かれ目】

世の中の出来事を見聞きしていると、どちらかというと努力して成功した人より、運がよくて成功した人のほうが多い気がします。もちろん、運がいい人と運が悪い人の二種類の人間がいるわけではありませんから、運がいい人が目立つだけなのでしょう。

英国のハートフォードシャー大学での実験では、「自分は運がいい」と思っている人と、「自分は運が悪い」と思っている人それぞれ50人にコインの表が出るか、裏が出るかを予想させる実験をしました。

結果は当たる確率はほぼ同じなのですが、被験者に自分の人生の記憶をたどらせると、「自分は運がいい」と思っている人は、過去におけるいいことをよりよく記憶していて、反対に「自分は運が悪い」と思っている人は悪いことをより思い出すという傾向が表れたというのです。

このことことからかわるのは、「運がいい」人は幸福感や達成感をつねに思い出すということでしょう。一日をいい気分で過ごしているから「運がいい」と思えるわけです。

「幸運」が発生する確率が同じだとすると、人生に関しても、同じくらいのチャンスが訪れるはずなのですが、「運が悪い」と思っている人はそのチャンスに気が付かない可能性があります。

なぜなら「運が悪い」自分には、最初からチャンスなど訪れるわけがない、と考えがちだからです。

たとえば、世の中には一等一億円の宝くじに当たる人もいるわけですが、「運が悪い」と思っている人は宝くじを買わないでしょう。すると、宝くじに当たる可能性はなくなるわけです。

ただし、いくら「運がいい」と言う人でも、宝くじがはずれるくらいなら大したダメージにはなりませんが、これが株式への投資だったりすると、「自分は運がいい」から儲かるだろうと思いこんで何百万も投資して大損することもあり得ます。勝手な思い込みは危険だとも言えるでしょう。

いずれにしても、これまで「運が悪い」と考えていた人でも、自分が過去に成功したことなどをできるだけイメージして、チャンスはきっとどこかにあると考えるほうがよさそうです。

これまで気がつかなかったチャンスが見えてくるかもしれません。

button-only@2x チャンスを確実に活かす法

【ピンチに負けない秘訣】

— ピンチをピンチでなくする —

ピンチに陥ったとき、大失敗をしてしまったとき、失敗しそうなときに慌てて判断を誤ってしまうことがあります。それが、事態をさらに悪いほうに向けてしまうのです。

ピンチに強くなるにはどうすればいいでしょうか。

まわりを見回すと、打たれ強いというか、多少の失敗にまったくめげない人もいます。この違いはどこから生まれるのでしょう。

ノーベル化学賞を受賞して一躍時の人となった田中耕一さんが、失敗から新しい発見につながったことは有名な話です。人生でいちばん印象深い失敗が、タンパク質を解析するときにコバルトの微粉末の上に間違ってグリセリンを落としてしまったことで、それがノーベル賞につながったというのです。

田中さんは「日本では研究者に失敗が許されないが、英国では失敗が前提となっている。人間は完全ではないのだから、失敗は当然あるものと考えるべきです」とインタビューに答えています。

これこそピンチに負けない秘訣といえるでしょう。まず、失敗はあるものと考える、これだけで心理的にはかなり落ち着くと思います。

さらに、失敗を前提として、失敗が起こったときにどうするかあらかじめ予測しておくことです。ようするに、仕事の上での最悪のシナリオを用意して、それが起こったときにあたふたしないように準備しておくということです。

人生はどこでなにが起こるかわかりません。だからこそ、生命保険にも加入しているわけで、そう考えると、仕事で失敗することなど「当然あること」なのです。失敗を恐れるあまりに、かえってマイナスの方向にいってしまうこともあります。ピンチが訪れたら、予測していたとおりの対応をする、それでダメならいさぎよく失敗してしまう、そのくらいの考え方でいいと思います。ここでも「ダメでもともと」の発想が救いになります。それに、みんなどこかで失敗しているのですから。

「完璧ばかり求めず、失敗をしても取り返しがつく、そういう考え方が望ましい」と田中さんも述べていました。癒し系と世間から許されている田中さんですが、その内面は外見と違い、案外したたかな人かもしれませんね。

button-only@2x チャンスを確実に活かす法

【働いても成果が現れないときの考え方】

— 長い休暇を取りなさい —

仕事が忙しすぎて昼食を摂る時間もないと、コンビニでサンドイッチやおにぎりを買ってきてもらってほおばりながら働いている、などという現場もありますが、こういう仕事のしかたがよくないことはだれの日にも明らかでしょう。

同じ仕事をしていても、きちんと昼食を摂っている人もいます。どちらが能率が上がっているかは実験データを取ってみなければ詳細はわかりませんが、どちらが長続きするかということははっきりしているでしょう。

仕事の能率というものは、いろいろな研究によってある一定の曲線を描くことがわかっています。一日で見ると、午前中から昼にかけて能率が上がり昼前には少し下がりはじめます。そして、昼食後に休憩をすると、また上がりはじめ、夕方以降にはどんどん下がっていきます。

一週間で見ると、月曜日にはあまり能率が上がらず、火曜、水曜と上がりはじめ、木曜にピークとなり、金曜日には下がりはじめます。この能率のピークをどれだけ維持できるかが仕事の効率ということになるでしょう。

もう少し長いスパンで見ると、だれでも、仕事をはじめて二、三年は能力が伸びるのですが、四年もすると「高原」という伸び悩みの時期に入ります。この時期には、仕事の量も内容も、ある程度こなしてはいるのですが、本人が思ったより効率的ではないことが多いのです。

仕事に対する情熱も薄れはじめ、向上心も弱くなっているのですが、自分では気がつきません。働いたつもりでもあまり成果が出なくなったりするのです。

こういう状態はいわゆるマンネリの状態です。いつもの作業のひとつひとつに積極性が持てなくなり、人との対応にも誠実さが感じられなくなっている可能性があります。

その積み重ねとして結果が出せないわけです。

こんな人は、思い切って長い休暇を取ることをおすすめします。有給休暇もずいぶん溜まっているでしょうから、2週間くらいは休めるでしょう。「そんなに休んだら、仕事がストップしてしまう」と考えがちですが、すっぱり休んで二週間後にリフレッシュして仕事を再開したほうが、間違いなく効率的です。

管理職の人は、まず自分から率先して長い休暇を実践することです。