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button-only@2x 決断することが最初の仕事と考える

【決めかねたら最初のほうを取る】

何かを決めかねて悩むという人がいます。悩むという理由は、自分の決断が間違った結果を招くかもしれないと考えるからです。それが取り返しがつくことであれば、「よし!」と思い切って決断できるのでしょうが、のちのち変更できないことだとどうしても決めかねるということもあるようです。

けれども、決断をしなければ何事もはじまらない、と考えると、決断をすることが仕事のはじまりです。

たとえば、広告案などで試案としていいものがふたつ残って、どちらにするかで商品の売れ行きなどが決まってしまう、という場合もあります。プロジェクトの関係者による対数決という解決法もありますが、責任者に一任されることもあります。

こういう場合、たいてい、最初のほうを選んだほうが間違いがありません。「A案」と「B案」であれば、「A案」を選ぶのが妥当なことが多いようです。なぜなら、プレゼンテーションをする人は、自信があるほうを「A案」にするからです。

もっとたくさん選択肢があって、その中からひとつ選ぶという場合は、最初に、「おっ、これいいな」と感じたものを選びます。その後に見たものもよさそうに感じても、じつは、その「ときめき」は最初の「おっ、これいいな」から引きずられてきていることが多いのです。

やはり、脳内で、「お、これいいな」という物質が分泌されて、その後に見たものは最初に分泌された脳内物質に影響されます。分泌されたあとに幸福感を感じながら見ると、どれもいいものに見えてくるのです。

取引先を選ぶ場合に悩むこともあります。どちらも初めての取引で、条件的にも同じくらいで、提供されたデータ以外に判断材料がないときには、相手の会社の名前や担当者と連絡がとりやすいか否かで判断してしまったりします。

こういう場合には、簡単な判別法があります。同じ物をサンプルとして持ってくることを依頼するのです。当然、素早く対応したほうが優れているということがわかります。

はじめて仕事をする印刷業者二社に名刺の印刷を100枚依頼したら、一社は七日であがったのに、もう一社は一か月もかかりました。もちろん、名刺を作るのにそんなに時間がかかるわけがありません。当然、仕事が速いほうの会社と取り引きをしました。

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【仕事の段取りをうまくやる法】

— とにかくメモをして整理する —

仕事には段取りというものがあります。数人が関わればもちろん、ひとりで進行する仕事でも、順序と扱い方を間違うと、あとでよけいな手間がかかってしまうものです。

この大切な、段取りをつけることがどうしても苦手という人がいます。

本当のところ、段取りさえつけてしまえば、その仕事はほとんどできあがったも同然ということが多いのです。

どうやって段取りをつければいいのかわからないという人に、簡単な方法をお教えしましょう。

まずは、これまでにも触れたように、仕事の順序を整理すること。整理して片付ければ、重要さの順番も見え、自然に段取りも見えてくるはずです。仕事は、手近なものを片っ端から処理していってもそれがシステム化されていなければ、いつまでたっても段取りができません。それに気づかずに、目の前の仕事に攪乱(かくらん)される人が多いのです。

そういう仕事のやり方では、どんなにがんばっても、大した前進は見えてきません。段取りをきちんとつければ、すべてが同時に進行するのですが、基本ができていなければうまくいきません。

すでに触れた「やるべきこと」の見だし方を基本として、段取りをつけるということを意識するのが出発です。

よくよく考えれば、きちんと整理された仕事を処理するのだったら、そんなに時間がかかるわけがないのです。整理できない人は、忙しいばかりで結局何も処理できていなかったりもします。

それは、自分の中で順番が付いていないからです。

とにかく、やるべきことを整理しましょう。そして、すぐにできること、やればできそうなこと、できそうもないけれどチャレンジしてみたいことを区分して、「段取りリスト」を作り、リストの上位からやってみることです。

先が見えなくても、とにかくやってみれば、その後どうすればいいかということが見えてきますが、やらなければいつまでも可能性が見えてきません。

麻の糸のように乱れていても、糸口をみいだせば必ずほぐれていくものです。そんな、糸口となるもの、キーポイントとなる仕事を、

千々(ちぢ)に乱れたさまざまな仕事の中から見いだす努力は必要でしょう。

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【内向的な人でも成功できる】

— セールスも積極的なばかりでは成功しない。–

セールストークというと、商品を売り込むために極めて積極的に働きかける語り口ということになりますが、これが、積極的なだけではうまくいくとは限りません。

テレビの通信販売のコマーシャルなどは、まさに使い勝手のよさを並べ立てて、他の商品より優れていることを強調し、しかも価格が今なら買い得であることを伝えています。テレビを見ただけで購入する人は、テレビで放送しているから信用して購入を決めるのでしょう。商品を実際に手にしたわけではないし、そこで商品の説明をしている人を信用しているわけでもないからです。

それでは、セールスに直接対面した場合はどうでしょうか。

昼間、自宅にいてやってくるセールスは、たいてい緊急に必要のないものを売り込みにくるものです。電話セールスだと、マンションとか墓地とか、家のリフォームとかのセールスが多いのですが、必要ないことを告げれば終わりです。

ところが、訪問してくるセールスの中には、屋根に設置する温水器だとかを非常に「積極的」に売り込もうとして、なかなか引き下がらないことがあります。セールスにはノルマがありますから、その日のノルマを達成しないと報酬をもらえません。生活がかかっているから非常に「積極的」にもなります。

突然、必要性を感じない商品を売り込まれた側としては、「うちはいいです」「そんな余裕もないし」と丁重にお断りするのですが、ときにはそれでも引き下がらずに「試しに二週間だけ設置してみてください」などという話を持ちかけてくることもあります。

ここまでくると、よくテレビでやっている「詐欺商法」ではないかという疑いが頭によぎって、とにかく追い返したいという気持ちになってしまいます。

セールスの世界では、「積極的」な人は、仕事をはじめて、一、二年は成績がいいが、四、五年経つと「内向的」な人のほうが伸びると言われているようです。あまりにも積極的な人は自分のペースで売り込もうとして、相手の事情を無視するために、結局は、返品やトラブルになる傾向があるのでしょう。

内向的な人は、相手の話をじっくり聞いて、相手が欲しがるものを売り込みます。その結果、長い目で見ると成績が伸びてくるのです。内向的なだけではダメですが、誠実さと、「聞き上手」であることがポイントです。